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2022/8/23

二足の草鞋を履く職人|今建設業界で多能工職人が必要な理由

家を建てた方や自宅をリフォームした方は、実際に現場に出入りする職人がそれぞれ専門分野が違うことに驚いたことはないでしょうか。

家づくりに携わる職人は、様々な分野に分かれているのが現在の日本には多い職人傾向にあります。

リフォームでも同じように、クロスや床材の張り替え、トイレ、バスルーム、洗面台、キッチンの設備専門、塗装専門、畳専門、電気設備というように、専門的に作業を行う職人がそれぞれの建築現場のスケジュールに合わせて作業を行っています。

このような職人は「単能工」と呼ばれています。

一方で、1つの専門的な職人ではなく、クロスの張り替えと設備の設置など作業を兼業できる職人を「多能工」といいます。

今回の記事は多能工職人についての記事になっていますが、

  • 多能工職人の必要性
  • 建築業界全体で多能工が浸透しない理由

などを説明していきます。

多能工職人が求められる背景

今や建築業界だけに止まらず、他の業種でも多能工が求められる時代です。

例えば、自動車業界や流通業界、宿泊業界など、1人何役でもこなすことで必要な人材を補うことができます。

宿泊業界であれば、メイン職種をフロント業務、人材が足りないベル業務や客室業務も兼任したり、コアタイム中ヘルプに行き、必要な部署に必要な人材を確保することができるのです。

では、建築業界における職人の多能工は今なぜ必要とされるのでしょうか。

実は戦後高度成長期の時代と現代では、消費者のニーズがまるで違うことが背景にあります。

高度成長期は単能工、現代では多能工

戦後はあらゆる物が不足していた時代だったため、とにかく不足している物を補うために大量に生産する必要がありました。

かつては、1人がいくつかのプロセスを経て1つの品を作るよりも、1人が工程の1つを任され、速く正確に作業することで多くの物を作ることができたため、単能工が非常に大切にされてきました。

時代は移り変わり、現代では物が溢れている時代とされているため、移り変わりの早い消費者ニーズに合う少量生産の時代に変わりました。

そのため、多様な消費者ニーズに都度対応できる多能工職人が今の時代では必要になったとされています。

建築業界でも当てはまり、お客様が唯一無二の家を求める方が多くなっているため、顧客ニーズに合った対応が素早くできる多能工は非常に重宝されています。

多能工職人が浸透しない理由

矢田建設にも唯一の多能工職人が1人在籍しています。

上記の背景から建築業界以外で多能工が今や必要な人材と分かりましたが、なぜ浸透しないのでしょうか。

それには次の3つの理由があります。

  1. 育成のコストと時間がかかる
  2. 職人の理解が必要
  3. 経営側と職人の間で求めるスキルの擦り合わせがうまくいかない

当然ですが人材を育成するにはその分の人員を確保したり、現従業員の中で教育担当を決めなければいけません。

職人不足といわれている中、さらに多能工育成の教育に時間とコストを割く必要があるため、現場作業をしながら育成することに後ろ向きな理由が挙げられます。

さらに、多能工職人になるという職人自身の理解度も必要になり、それがモチベーションを左右します。

トップダウン形式ではなく職人自身が多能工をやるという意識改革も時間がかかるでしょう。

経営側と職人の間でスキルをどこまで身につけるのか擦り合わせをしておく必要があります。この擦り合わせにも時間を要することがあります。

まとめ

矢田建設では現在1名の多能工職人を抱えています。

多能工職人が1人在籍していることで、単能工がそれぞれ行っていた作業を多能工が複数作業を進めることができ、結果的にリフォームにかかる期間の短縮に繋がり、お客様にとってのメリットも大きいことを実感しています。

建築業界全体として多能工育成はメリットの方が勝るため、矢田建設でも今後積極的に多能工育成をしていこうと思っております。

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